統計検定準一級の戦略について
膨大な範囲と2級までと比較して高度な数学力を要求されることで難関ともいわれる統計検定準一級の合格への道筋を考えてみました。
1.スタートライン
2020年6月にCBT方式で受験した際のリザルトです。画像を見ていただければわかると思いますが、推定、検定がひどいですね(笑)
全体としての74点という結果は、準一級勉強を始める人の並くらいではないかなと思います。
2.過去問をざっと見た傾向と対策
まずは、統計学全般のベースとして赤本(東大出版統計学入門)だと思います。
準一級受ける方ですと、一回は読んだことあると思います。やはり基礎は大事ですので、最低一周はとりあえず流しで読んで都度復習していくというのが大事だと思います。
そして、ここからが本題なのですが過去問2015~2019年を見て、頻出かつ最近の傾向として特に対策する必要があるなと感じた分野が以下の点です。
1.ベイズ統計
2.多変量解析
3.時系列解析
4.マルコフ連鎖
5.L1,L2正則化
6.機械学習分野
以上の点を抑えられれば合格点は最低でも取れるのではないかと思います。
今年(2020年)は準一級が中止になって、最短でも来年四月からのCBT方式開始を待たなくては受けれないと、幸いにも時間がありますので各単元の本を読んで地力を地道につけていくのがよいのではないかと思います。
この本は2級レベルからMCMC法を用いた階層ベイズまで導いてくれるので良い本だったと思います。2019年問7はこの本をやっておけばすっと解ける問題でした。
ベイズ統計に自信のある方は飛ばしていただいて結構ですが、ベイズの定理、ベイズ推定、最尤法などその他の問題にも応用がきくので良書です。
2.多変量解析
主成分分析、因子分析は頻出ですね。ちょうど1の勉強が終わったのでこの本に取り掛かろうと思います。
3.時系列解析
DW統計量など頻出分野です。私は以下のベーシック経済学で勉強しようかと思っていますが、大学時代使っていたWooldridgeも英語に自信がある方は良書だと思います。(私は英語が苦手なので非常に苦しみましたが・・・)
Introductory Econometrics: A Modern Approach (Upper Level Economics Titles)
- 作者:Wooldridge, Jeffrey M.
- 発売日: 2015/10/15
- メディア: ハードカバー
4.マルコフ連鎖
この問題は非常に頻出で対策は必須なのですが、わざわざマルコフ連鎖のために一冊読む必要もないかなあとも思います。まずは、過去問研究でマルコフ連鎖の解き方をしっかり身に着けることが大事だと思います。
余力があれば以下の本をやろうかなと思っていますが、優先度は低いです。
5.L1、L2正則化
この分野も今後頻出になるのではないかと見ています。
以下の本が正則化についてすっきり書いてあるようです。
6.機械学習
分野改定などで今後益々比重は重くなってくるのではないかと思っています。
この分野に関してはRやPythonでコードを書くのも重要なのではないかと思います。
参考書としてはやはりこの分野ははじぱたがいいと思います。
以上の本を各自の理解レベルに応じて取捨選択や力の入れ具合をコントロールして、残りは徹底的に過去問研究になると思います。
統計学への理解が深い方はここまで多くの本を用いずに合格できると思いますが、あくまで趣旨は私のような統計検定2級を並程度で合格した者が準一級を目指すというものですので、その点はご承知おきください。
他にいい参考書等ご存じの方がいましたら、コメントにでも残していってくれるとありがたいです。